葛藤・覚悟・感動

——リハウスリーグ最終日。ガス橋グランド——

2025年11月24日(月祝)

朝、まだ冷たい風が吹く中、選手たちがゆっくりと集まってきた。

その歩き方は、たしかに“痛み”を抱えた身体の歩き方だった。


こんにちは。若かりし頃に受けた心の痛みが今でも疼く時があるゴンコーチです。



ベアーズ東京FCの2025年度リハウスリーグ全日程が終了いたしました。

最終節となったリハウスリーグは私の中で忘れられない1日になりました。

少し感傷的な振返りとなりますが、記録として残しておきます・・


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最終日。ベストメンバーで今年度の集大成を見せよう!

と意気込んでいたのですが。。

大田区U12リーグ、大田区U10ジュニアリーグと日程が丸被り・・

諸々熟慮した結果、6年生は全員大田区U12リーグに参加する事に。

5年生と4年生で臨むリハウス最終日。

しかし大田区U10リーグもあるため、メンバーはギリギリ。

その中でも最高の試合をしよう!と気持ちを入れ直した矢先・

前日実施された大田区U12リーグに出場した5年生2名が負傷・・

出場予定だった4年生が体調不良により病欠・・

当日朝、集まったメンバーは9名。

その内、元々怪我をしておりこの日は応援メンバーが1名なので、“出場可能なのは8人ぴったり”

その8人の内、2名は前日に負傷している・・


一歩間違えば試合続行すら難しい状況。

それでも、彼らは言った。

「やります」

「行けます」

迷いのない目だった。


ウォーミングアップ。

痛みをこらえながら走る背中。

仲間に隠すように足をさする姿。

それでも、ボールを持つと表情が変わる。

“戦う顔”になる。

保護者の方々は、そんな姿を静かに見つめていた。

心配と誇り、両方の気持ちを抱えたまま。

胸が痛まないはずがない。

それでも「頑張れ」と言葉を届ける。

その声には震えがあった。

試合が始まった。

痛みをごまかすように走り、それでも仲間に声をかけ続ける。

コーチの指示より先に、子どもたち同士の声が飛ぶ。


「俺、行けるよ!」

「任せろ!」

「まだいける!」

「切り替えようぜ!」


何度倒れても立ち上がる。

その度に痛みが襲い、足が震える。


それでも前へ。

ただ前へ。


その姿は、

“強さ”ではなく、

“覚悟” だった。


指導者としては、

静かに、しかし確実に心が裂かれていった。


「もう止めるべきじゃないのか」

「これ以上、彼らに痛みを背負わせてはいけない」


そう思うたびに、胸が苦しくなる。

でも同時に、この逆境で成長していく彼らの姿を、

この瞬間だけの輝きを、ただ目をそらさずに見ていたかった。


“危険を避けたい指導者”と、

“挑戦を見届けたい指導者”

その二つの狭間で立ち尽くし、そして見守り続けた。


1試合目 0-2

2試合目 0-3


スコアは確かに負けを示しているが、

この状況で、

この痛みで、

この人数で、

最後まで戦い抜いた子どもたち。


勝負の“勝ち”とは何なのか。

彼らが教えてくれた。

それは、

“結果”ではなく、

最後まで諦めず闘い続けた者だけが手にするもの。


保護者の涙。

子どもたちの汗。

ベンチスタッフの震える胸。

そのどれもが、

「勝ち以上の価値」

を証明していた。


リハウスリーグ最終戦。

数字に残らない最高の物語が、ガス橋グランドに確かに刻まれた。

No limit. Never give up.

限界の先へ、もう一歩踏み出したあの日の子どもたち。

その姿こそ、ベアーズの誇りであり、未来そのものだ。

この試合が、次の新しい挑戦への大きな土台となるはず。


最後まで、子ども達を信じて、温かく見守り、応援し続けていただいた保護者のみなさま

本当にありがとうございました。

ベアーズ東京FC|大田区ジュニアサッカーチーム

”Athlete Football”を指導コンセプトに大田区で活動するジュニアサッカーチーム。 日本サッカー協会公認ライセンス保有のコーチ陣による「最新の指導」に加えて、活動日数&実戦数が多いので、トライ&エラーを数多く経験し子ども達たちはどんどん成長していきます。(保護者の当番活動はありません) 運営:総合型地域スポーツクラブ NPO法人ベアーズ