「前出ろー!」
「キャッチだろー!!」
「ビビるなー!!」
こんにちは。
「ビビるなー!」と、大声で怒鳴っている大人の声にビビることの多いゴンコーチです。
一昔と違い、今ではYouTube等で多くのコーチング動画が無料配信されています。
トレーニングメニューだけでなく、子どもとの関わり方、声掛けの仕方についても多くの勉強になる動画がたくさんあります。
そしてGKについての動画もたくさん配信されています。
つまり、学ぼうと思えばいつでもだれでも、コーチでも保護者でも、GKについて学ぶことができる環境になっています。
ただ、まだまだ小学生サッカーの試合では冒頭のようなゴールキーパーに向けた大人の怒鳴り声が響き渡る事も少なくありません。
ゴールキーパーをやる子ども達にとっては良いサッカー環境とは言えません。
怒鳴りたくなる大人の気持ちもわからなくありませんが、毎回思います。
「この方はゴールキーパーを育てようとしているのかな?」
「そもそも、GKについて学ぼうとしている人かな?」
「自分がGKをプレーしてて同じように怒鳴られたらどう思うのかな?」
【試合に勝ちたい気持ちが強くなってつい怒鳴ってしまう】
と言う声もたまに聞きます。
なるほど。試合に勝ちたいと。
そのような方には考え方を変える事をおすすめします。
試合に勝ちたいのなら、
「判断を奪う声がけ」や「自信を奪う声掛け」ではなく
「改善を促す声掛け」や「自信を持たせる声掛け」に変えましょう。
大声で怒鳴られたゴールキーパーは自分の判断を奪われます。
自分で判断することに臆病になります。自信を失いがちになります。
怒鳴られた後も試合は続きます。
自信を失ったゴールキーパーは消極的なプレーになりがちです。
その後のプレーでミスを重ね、失点を重ねる原因にもなりかねません。
【怒鳴ってしまう事が試合を勝たせるどころか、負けに繋げてしまう可能性を高める】
そうではなく、
【目の前の試合を最後まで諦めず、自分と仲間を信じてプレーし続けられるような声掛け】
フィールドプレーヤーにも言える事ですが、特にゴールキーパーには必要な考え方です。
試合中はたくさん話す事はできません。
ハーフタイムや試合が終わった後に、
「同じシーンがまた起きたらどうすれば止められるかな?」
と、一緒に考えるところからスタートする事が多いです。
選手自身で中々考えられない場合には、
ゴールキーパーのプレーサイクルに沿って一緒に振返っていけるようにゴールキーパーコーチが促してあげると良いかもしれません。
理想はゴールキーパー本人が試合中に自分自身で細かく振返り、すぐに次のプレーに全集中できるようになること。
※ゴールキーパーのプレーサイクルはまた別の機会で。
目の前の試合に勝つために、目の前のゴールキーパーの成長のために、
言葉をかけるタイミング、かける言葉の中身は非常に重要です。
そもそもGKコーチがベンチにいないチームが多いのが小学生年代の大きな課題と言えますが・・
大前提として、試合に出るのは選手であり、コーチではないということ。
「監督・コーチの仕事の大半は、試合前に終わっていなければならない」
私が敬愛する故イビツァ・オシム氏の言葉です。
「ゴールキーパーコーチはキーパートレーニングする人ではなく、ゴールキーパーを準備する人であること」
こちらは鈴木ザイオン選手を浦和時代に指導されたGKコーチ、ジョアン・ミレ氏の言葉です。
ゴールキーパーが試合中に怒鳴られる、判断を奪われる、自信を無くす、ゴールキーパーを嫌になるような環境をいち早く改善したいという想いで私はサッカーコーチをしています。
子どもが、ゴールキーパーが、前向きに自信を持って堂々と思いきりプレーできるように。
大変ありがたい事に私は小学生時代、怒鳴り散らされるような声掛けはあまりされませんでした。
むしろビッグセーブをした後に、誰よりも喜んでくれる指導者の姿が印象に残っています。
私の指導スタイルのモデルとなっています。
★GKに関わる全ての人に知ってもらいたい事★
「実際にプレーしている選手(GK)」と
「外で見ている他の人(監替コーチベンチ応援者)」とでは
【考えている量】
【感じているストレス・プレッシャー】
【体感しているスピード】
これら全てが違います。全く違うんです。
試合を後ろから見るか、横から見るかでも、見える世界、感じるストレス、スピードが全く違います。
失点に繋がるプレーもセーブしたプレーも簡単なプレーはないです。
ゴールキーパーの立場になって、アドバイス、サポート、前向きになれる声がけにチャレンジしていきましょう!
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